顎関節症と頭痛
良性の頭痛・悪性の頭痛
頭痛は、まず大きく良性と悪性に分けられます。
悪性頭痛というのは、命に係わる頭痛で急性くも膜下出血や脳腫瘍などによるもの、
良性頭痛はいわゆる偏頭痛と筋緊張性頭痛です。
悪性頭痛で歯科医院をいきなり受診されることはないとは思いますが、これらは注意深い問診によってほとんど診断することができます。
さて、顎関節症によって頭痛が起ることがあります。
これは、先ほど述べた筋緊張性頭痛と呼ばれるもので、頭や首筋の筋肉が緊張して強いコリを伴った痛みを生じさせていると考えられています。
一般的な特徴としては、以下のことが挙げられます。
1、朝よりも夕方に起こることが多い。
2、痛みの特徴は、後頭部から頭全体が締め付けられるような感じがある。
3、仕事のストレスが関係していると感じる。
4、お風呂に入ったり、お酒を飲んだりすると痛みが和らぐ。
5、いつも肩がこっている。
6、市販の頭痛薬を服用するとだいたい治まる。
なぜ顎関節症の人に頭痛が多い?
では、なぜ顎関節症の人に頭痛が多いかを説明します。
そもそも顎関節症の原因は頭の骨に対する下顎の位置ズレでしたよね。
下あごの位置がずれると当然首から上の重心がズレます。
そうすると重心のバランスを取るために、頭の傾きや頸椎の並び方が変化します。
そしてその頭の姿勢を維持するために、首と頭の筋肉が常時緊張することになり、筋緊張性頭痛が起ってしまうのです。
このメカニズムは、右のイラストで説明したいと思います。
頭、下顎、頸椎、舌骨、肩の骨は独立していて、それぞれはゴムバンドのようなもの(筋肉)によってつながっています。
そこで、一つのパーツ、ここでは下顎がそのポジションを変えることで、頭や頸椎、舌骨などに影響が出てしまうことは容易に想像ができるのではないでしょうか?
さらには、下顎の位置が後ろの方へズレることで、頸椎はいわゆるミリタリーネックと呼ばれるような、本来持っているはずの緩やかなカーブ(前弯と呼ばれています)を失い、まっすぐに並んでしまうことで、いわゆる頸椎症(頸椎の神経が圧迫されることで、手や腕のしびれ、首の痛み)を引き起こすこともあるのです。
あともう一つ、顎関節症特有の頭痛があります。
これは、やはり下顎の位置のズレが原因ではありますが、顎の位置のズレを補正するために直接顎にくっついている側頭筋や翼突筋が緊張してしまって、痛みを出す場合です。
この特徴は、いわゆるこめかみの部分に起こってくる頭痛ですが、普段無意識のうちにかみ締め癖を持っている人に多く起ってきます。
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