顎関節症の原因

元々の歯並びがズレている

顎関節症の原因としてもっとも多いのは、「不正な咬み合せによる下顎のズレ」と考えられます。

噛み合わせを作っている上顎と下顎について説明します。
上顎は頭の骨と一緒になっているため、いかなる場合でも上顎は動きません。
これに対して、下顎は話をするとき、食事を咬むときなど様々な運動に際して自由に動き噛み合わせを行っています。

そして、誰でも、無意識に習慣的にいつも同じ一つの場所で咬み合せをしています。
この位置を咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)あるいは習慣性咬合位(しゅうかんせいこうごうい)といって、下顎の位置を決めているのです。

咬頭嵌合位(こうとうかんごうい)はどのように決まっているかというと実は永久歯が生えそろった時点ですでに決まっていて、下顎の位置も同時に決まってしまっているのです。
ですから、下顎のズレをもともと持っている場合が圧倒的に多いのです。

それでも若いうちは体の柔軟性が高いため、この下顎のズレの不調和を受け入れていても顎関節症の症状が出てきにくいのですが、ある時期(人によって違いますのでいつとは言えません)になると、1本の歯の治療を引き金にしてとか、ちょっと変な顎の使い方をしてしまったとかで症状が出てきてしまうと考えられています。

人の歯並びは、八重歯があったり、デコボコに生えてくるように、必ずしも下顎の位置が正しくなるように生えてくるとは限らないのです。
ですから、何か特別なことがあったわけでなくても、咬み合せがズレてしまっていることが非常に多いのです。

また、時には下の親不知(おやしらず)が原因となっている場合があります。
上の親不知を抜歯してもらい、下の親不知をそのままにしている場合に、残していた下の親不知がだんだんと伸び上ってきてしまうことあります。そうすると、伸び上った下の親不知が下顎の運動(顎を前に出すとか横に動かす)の際に上の第2大臼歯とぶつかってしまうことで、正常な顎の運動を妨害することで、顎関節症が起っている場合がありますので、このことも要注意です。

咬み合わせのズレは何故、起きるのでしょうか。 それにはいくつもの要因があります。

そして、大半の場合、どれか1つに原因があるのではなく、複数の要素が合わさって咬み合わせのズレとなり、それが顎関節症、肩コリ、頭痛、腰痛などの症状として現れてくるのです。

1.元々の歯並びがズレている

実は一番、多いのが元々、咬み合せがズレている場合なのです。
これは乳歯から大人の歯へ生えかわった点で既にズレているのです。
ですから、何か特別なことがあったわけでなくても、咬み合せがズレてしまっていることが非常に多いのです。

八重歯があったり、デコボコに生えてくるように、必ずしも人の歯は上下のあごの位置が正しくなるように生えてくるとは限らないのです。

2.態癖(たいへき)

日々の生活の中での良くない癖によって、顎の位置がズレてしまいます。

寝てる時の癖
寝る時に横向きの状態で枕が顎を押していると、顎の位置がズレてしまいます。

頬杖の癖
頬杖をつくのが癖の人は、自分の掌で顎を片方に長時間、弱い力であっても押し続けることによって、顎の位置がズレてしまうのです。頬杖は態度が悪いだけでなく、体の健康にも悪いのですね。

片方の奥歯でばかり咬む癖
片方の奥歯でばかり咬んでいると、咬んでいる側へ顎の位置がズレていってしまいます。この時には、歯並びも微妙に変化しています。そして、反対側の奥歯でものを咬めなくなってしまいます。

舌の癖
食べ物を飲み込んだり、つばを飲み込む時に、上下の歯の間に舌をはさむクセがあると、弱い力であっても、それが長期間、何回も力が加わることで、歯が傾いてしまい、次第に咬み合わせの位置がズレてしまいます。

3.歯のトラブル

歯にトラブルが起こることによって、それまでは正常だった咬み合せがズレてしまうこともあります。

歯の摩耗
長年、歯を使っていると、歯を上下で咬み合せることで、歯がすり減って行ってしまい、次第に歯の高さがなくなってしまい、それが咬み合わせのズレにつながる場合もあります。

また、ストレスが多い方などは夜、寝てる時に無意識にストレスを解放するために歯ぎしりをすることがあります。歯ぎしりは物凄い力で歯を咬み合せるため、歯がすり減ってしまう原因になります。

歯が折れる、かける
長年、歯を使っていると、歯が摩耗するだけでなく、歯が欠けてしまったり、折れてしまったりすることがあります。もちろん、すぐにきちんと治せば、大きな問題にはならないのですが、そのまま放置していると、咬み合せがズレてしまう原因になることがあります。

歯が抜けてしまう
年を取ると、虫歯や歯周病で歯が抜けてしまう場合があります。
歯が抜けた後に、放置していると、スペースが空いてしまいます。

歯にかかる大きな力を両隣の歯、上下の歯でも支えているのです。
その支えがなくなってしまえば、歯は傾いてきます。
歯が傾いてくれば、当然、以前とは違った咬み合わせ、つまり、咬み合わせのズレになってしまうのです。

4.歯の治療

かぶせものやブリッジなどの歯科治療によって、咬み合せがズレる場合もあります。

かぶせものやブリッジを入れる際、必ず、咬み合わせの調整も行います。
しかし、ほとんどの場合、赤い紙(咬合紙といいます)を患者様に咬んでもらって 「違和感はないですか?」と歯科医師が聞いて、違和感のないように調整するのです。

つまり、患者様の正しい咬み合わせになるように調整するのではなく、患者様が不快感を感じないように調整しているだけなのです。患者様は以前よりも高いと不快感を強く感じますが、以前より低くても違和感を感じません。

そうなると、治療をすればするほど、歯の高さが低くなってしまい、次第に咬み合わせの位置が後ろの方へズレて行ってしまうのです。

患者様は咬み合わせのズレによって、発生する顎関節症、肩コリ、頭痛、腰痛などの症状が出た直前のことが原因で問題が起きたと考えやすいです。

ですので、歯科治療を受けた後に、顎関節症、肩コリ、頭痛、腰痛の問題が発生したことで、歯科治療が原因で起きたと考えがちなのですが、必ずしも、歯科治療が全ての原因ではなく、その他の原因も既にあり、歯科治療が引き金となって、症状が発生したという場合も多いのです。

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