治療の流れ

顎関節症の治療について

はじめに

顎関節症の主な症状は大きく分けて3つあります。
1つは、お口の開け閉めの時にコキコキ、ザリザリ、ポッキンという音がするというものです。
これらの音は、顎関節の隙間にある座布団のような形をした軟骨(円板といいます)の位置がずれたり、変形したりしていることが原因です。
円板がずれる原因としては、無理に硬いものを咬んでしまった、頬杖のくせ、顎をぶつけた、そして、最も多いのがかみ合わせの不正による顎のズレです。

2つ目は、お口が空き辛い、もしくは途中までしか開かないというもので、これは先ほどの円板のずれがひどいばあいに起こってきます。

3つ目は、食事の時やお口の開け閉めの時に生じる痛みです。これも先の2つと同じように顎関節に異常が起こっていることを意味します。
そして、さらにかみ合わせの不正による顎のズレは、もっと厄介な症状を引き起こします。
人の体は、均整を保とうとする働きがあるため、顎の位置のズレは頸椎や背骨の並びの変化や周囲の筋肉の張り、に影響を与えます。

つまり、姿勢が悪くなることになり、その結果として頭痛や肩こり、などの筋肉骨格の症状を引き起こします。
そして、姿勢の不良は背骨の間から出ている自律神経にも影響を与え、心身症や自律神経失調症、めまい、しびれなどの神経系の病気までも引き起こすことになります。
しかし、もともとは、かみ合わせの不正による顎のズレが原因ですから、このずれを矯正することにより、噛み合わせが原因の不快な症状は解決することができます。

当医院では、このようなかみ合わせの不正による顎のズレをK-7 ダイアグノスティクシステム(アメリカ マイオトロニクス社)というコンピューター機器を使用して、客観的に診断し、最適な治療方針を提案させていただいています。

検査項目について

(1) 筋肉の緊張状態の検査(筋電図)
赤の→で示す筋肉は噛み合わせの不正による異常な緊張(こわばり)があることがわかります。

(2) かみ締めた時の筋肉の働き(筋電図)
赤の→で示す筋肉の働きが悪くなっています。

(3) お口を開け閉めした時のスムーズさ(顎運動検査)
円板のズレや変形がないかどうかがわかります。

(4) 顎のズレ(顎運動検査)
かみ合わせの不正による顎のズレがないかどうかを調べるグラフです。歯をかみ合わせずにリラックスしたあごの位置(矢印)とかみ合わせの位置(矢印)とのズレを調べます。

筋肉位理論(筋肉と骨格にとって最も良い顎の位置)による正確な診断のもとに、かみ合わせの不正による顎のズレを直してしていくことにより、治療が難しいとされている多くの顎関節症でお困りの患者様の症状が改善しています。

治療法について

K-7により、かみ合わせの不正による顎のズレが見つかったとしても、噛み合わせそのものを治すのは、簡単ではありません。

そこで、まず取り外し式のマウスピースによる治療法をお勧めします。

これは、写真に示すように透明のアクリルでできていて、下顎の歯に装着します。
このマウスピースの表面には、正しい顎の位置で噛み合わせができるように、上の歯に合わせて、正しい歯の噛み合わせが作られています。

つまり、このマウスピースを入れて咬むと自然に正しいあごの位置で噛み合わせができるという画期的なものです。
ご自分でつけ外しが出来るので、食事の時や人と会って話をする場合など、差しさわりのある場合はいつでも簡単に取り外すことができます。

使用法について

最初の2週間は、食事のとき以外は就寝時を含めてなるべく長い時間(17時間以上が好ましい)使用していただきます。
1か月後に再度K-7の検査を行いますが、その時点で正しいあごの位置に変化が出てきている場合があります。
これは、かみ合わせが正しくなることにより、姿勢のひずみが修正された結果、よりリラックスした顎の位置が取れるようになったことによります。
その場合には、マウスピースの噛み合わせの部分をレジンという材料を用いて修正する場合があります。これをリサーフェイスといいます。


リサーフェイスは姿勢のひずみが大きいほど必要になり、通常1~3回程度必要になることが多いです。

治療効果について

通常早い人で1週間程度、遅くても3か月くらいで、かみ合せが原因の症状は改善してきます。
もともと、頸椎や神経系の病気が原因で症状が治らない場合は、カイロプラクティックや神経科などと連携して治療にあたる必要がある場合があります。

症状が無くなったり気にならなくなったりした場合は、マウスピースを徐々に外す時間を長くしていきます。
マウスピースを使用しなくなっても症状が出てこない場合は、そのまま経過を見ていきます。
そのほか、夜寝るときだけ使用して、症状をコントロールする場合もありますし、常につけていないと症状が出てしまう場合は、歯並びの矯正やセラミックスによる歯の修復を検討していく場合もあります。

治療費について

かみ合わせの不正による顎のズレを矯正するマウスピースは、健康保険がききませんので、210,000円(消費税込)と必要に応じてリサーフェイスの費用21,000円(1回、消費税込)がかかります。

顎関節症を科学的データで診断・診断予約詳細はこちら

電話相談は無料です